ジャスミンライスと日本のジャポニカ米。焼酎造りにおけるそれぞれの長所と未来。
焼酎造りでは、「タイ米」=「インディカ米」=「ジャスミンライス」などと呼ばれる”長粒米”が用いられることが多い。神酒造で醸すKALOの2020年までに蒸溜された焼酎はそれにあたる。何故、多くの焼酎や泡盛にこの米が用いられるのか。理由は3つあると考えられる。
1つは、焼酎が東南アジアから琉球を通して伝来してきたその歴史からだ。東南アジアの米は主にこのインディカ米。シンガポールライスや、ビリヤニ、本格インドカレーに主に使われている粒の長い米である。現在の焼酎造りでは、我々が主食として食べている国産の「ジャポニカ米」を使うケースも増え、その味覚の良し悪しの判断は難しく、言うなればどちらも美味。それぞれの米から生まれる焼酎を味比べてみるのも焼酎の楽しみ方の一つである。
2つ目は、インディカ米が焼酎造りに向いているというという点である。本格アジア料理のレストランで食べる、パラパラとしたライスの食感を思い出していただきたい。粘度が少ないゆえに「麹」という粒子状の菌が、満遍なく蒸米に交わり浸透しやすい。よって作業効率も良く、且つ、偏りの少ない製麹作業ができる。私たち日本人はジャポニカ米の旨味に慣れており、さすがに焼き魚や刺身をインディカ米で食べたいとは考えないが、前述の通り焼酎造りでは甲乙つけずにこれを愉しみたい。
3つ目は、やはり昨今高騰が続いてきた米のコスト面の存在もある。現在の焼酎の小売価格は、製造原価と製造の手間暇を考えると異常とも思えるほどの安さである。これは、焼酎が日本では大衆的な蒸留酒として親しまれてきたゆえというべきだろうか。900mlの焼酎が1000円程度で市場で売られている現状は酒蔵の企業努力に他ならず、「正当な対価」というものを考えると「焼酎や日本酒の価格はもう少し高くても良い」というのが酒愛好家の間ではしばしば共通の話題ともなっている。
同時にKALOは、新たな国産米による仕込みも積極的に進めており、2023年からは国産米仕込みが主だ。ハワイの素材と日本の素材の様々な組み合わせの中で見つかる、ワクワクするような未知の味を今後も期待したい。