熟成「MAKAHIKI」と、天使の分け前。

 ウイスキーは、樽熟成期間が長くなると揮発し、容量が減る。それをいつしかスコットランドでは「天使が飲んでしまったもの」に例え「Angel’s share」と呼ばれ始め、今ではワインなども含めた酒類の一般用語となっている。甕熟成のKALOにも、ウイスキー同等に「分け前」がある。

 蔵を訪ねる度、その天使が飲んでしまった分量を測るのは惜しくもあり、反面どこか少し楽しみでもある。天使が飲むほどに、熟成が進み美味くなっている証拠に違いないからだ。

ウイスキーのように”樽”熟成であれば、時系列で琥珀の色は濃くなり樽香がついてゆくものだが、”甕”熟成のKALOにおいてはほとんど無色透明。目視ではその熟成の度合いは判断が難しい。樽香も乗らない。

しかし、口に含んだ瞬間、その柔らかく熟成した味わいの変遷を明確に感じることができる。リリースを前に、酒類業界で著名な味覚の権威に「これは間違いなく、熟成で角が取れてどんどんと美味くなる酒だ」と評価をいただいたことがある。良い酒にこそ、熟成に真価が現れる。これはワインやウイスキーにも言えること。ビンテージ5年、6年・・・天使が好む、育ちの良い酒が今も甕に眠っている。

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