精米に倣う酒造りの哲学。味わいの本質を追求する現場。

朝の蔵に、蔵人たちの明るい声があった。

浅間山水系の冷たい水をいっぱいに張った大きなタライで、タロイモの表面を丁寧に洗う作業が始まっていた。

「素材の味を引き出しながら雑味を取るため、表面部分を削ぎ取って綺麗にするんです。」

北島杜氏がそう語る。彼は日本酒造りと焼酎造りの陣頭指揮を取る現場のリーダーだ。

なるほど。日本酒は米を削ることで、洗練された大吟醸が造られる。

同様に、丁寧に芋の表面を削いで仕込み、素材本来のポテンシャルを引き出すという考えだ。

米に例えれば、玄米から精米した白米。更には、吟醸へと続く精米歩合の米の「磨き」に近いしい。

酒造りの哲学が焼酎造りにも生かされている。

たらいの水に手を入れ、タロイモに触れてみる。夏場、最初は浅間山の服流水に気持ちよさこそ感じるものの、

やがて冷たさに2個、3個と剥けば手はかじかむ。

手袋をしているとはいえ、これを朝から夕まで続けるというのは、なかなかに過酷な作業である。

それでも、作業中、会話の中で時折わっと笑い話が沸き起こり、仕事に対する真摯さとチームワークは、

この酒蔵取材の中、随所に感じた所だ。

良いものが生まれる現場には、やはり厳しさと、和やかさがある。

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