様々な”イモ”で醸したお酒と沖縄料理の話。②酒と料理は海を越えて。
沖縄に行くと何を食べますか?ソーキが入った沖縄そば。海ぶどう。ゴーヤーチャンプルー。グルクンのから揚げ・・・お菓子にはサーターアンダギー、ちんすこう・・・いろいろと思いつく方も多いと思います。
”素朴さと洗練の沖縄料理を焼酎・泡盛で味わう”
この日は、沖縄郷土料理研究家の玉城久美子さんにお招きいただき、沖縄の人々の生活の中にある美味しい本格郷土料理とのペアリングを楽しませていただきました。壺屋焼のうつくしいやちむん(焼き物)に盛られた料理の数々にため息。まるで料亭に来た気分でした。

沖縄フルコースがテーブルを彩る中、その味わいにの中に、最も感動とロマンを感じられたのは、意外なほど「地味」な逸品でした。
”スンシー?クーブー??イリチー???”
「イリチー」とは、さまざまなバリエーションのある「炒め煮」のこと。細かく切った素材を炒め、だし汁を加えてさらに煮込む料理。久美さんが作ってくれたのは、「スンシーとクーブーのイリチー」。はて。スンシーもクーブーもイリチーも、何のことかさっぱりわかりません。お話を聞きながら頂いたKALOとのペアリングは、身体にも心にも沁みるものでした。

「スンシー」とは、麻竹というメンマのような食材を発酵させたもの。「あれ?この味どこかで食べた記憶が・・・?」と思ったのですが、記憶を辿れば台湾東岸・花蓮のローカル食堂でした。台湾と沖縄は昔から非常に文化的に共通するものが多い場所。それもその筈、与那国島や石垣島を地図を見てみると、本当に目と鼻の先で、なんと与那国島と台湾は”東京ー熱海”とほぼ同じ距離なのです!国を越えて食材が伝わるのは、とても自然なことでした。この独特な発酵味を、KALOの風味が包み込みながら抜群のペアリングを生んだというのが私の印象です。
クーブー=昆布は沖縄では採れませんが、遥か琉球の時代に、北海道から薩摩を経由して中国に渡る「昆布ルート」とも呼ばれる交易の中で、自然と沖縄の食卓に定着しました。ちなみに昆布で有名な利尻島から那覇市まで、フェリーと陸路での移動距離を計算すると実に3600km超!成田ホノルル間がおおよそ6140㎞と考えると、飛行機もエンジンもない当時の貿易における食材流通の凄さがわかります。
”かつて海を渡り、いつしか郷土料理となる味”
はるかカウアイ島のタロイモが、鹿児島や長野でお酒になることは勿論今まで一度もありませんでした。しかしながら、われわれの日常にあるほとんどの食物は、その地で生まれたものではなく、遠く海を渡り遥かなる道を越え、そして時間をかけ、いつしかふるさとの味になるのだなと食のルーツについて深く考えさせられました。KALOという始まったばかりのこのお酒の歴史を、未来に紡げていけたら・・・という気持ちで胸が熱くなりました。
ほかにも様々な沖縄料理とも相性は抜群で、今回一つ一つご紹介できないのはとても残念ですが、是非沖縄に行かれた際は知らない郷土料理を見かけたら是非味わっていいただきたいです。もちろん、私たちはKALOを沖縄で飲んでいただくシーンをこれから作りたいですし、もしかしたら沖縄の酒造メーカーからもKALOが生まれる・・・なんて夢も、将来きっと実現できると思っています。