鶴の町”出水”の1年。甕熟成はその越冬を数える。

 KALOを醸す「神酒造」のある鹿児島・出水市は、おおよそ1万羽もの”鶴”が飛来する越冬地として有名だ。秋の気配が漂い始める10月頃、遥かシベリアからの長旅を経た鶴の一陣がこの町に降り立つ。紅葉から落葉へ、町の景色の移ろいと共に数は増え、年末の頃には無数の鶴が空を覆い尽くす風景は圧巻である。

 春夏を過ごすシベリアから鹿児島出水までの距離はおおよそ3000km。ハワイと日本が約6000kmだから、ちょうどその往復がハワイ諸島までの距離となる。毎年、何故この鳥たちは同じ時期、同じこの場所に戻ってくるのか。

 冬のシベリアは氷に閉ざされる。彼らは、最も居心地の良い越冬の地を求め空の旅を続ける。中国や韓国各地にも越冬の地は存在するが、開発が進むに連れて起こる環境変化によって安息の地として好ましい場所は、近年少なくなったとも言われている。米の収穫を終えた田んぼと、休耕田のある広大な湿地。餌となる虫や、湿地の生物の豊富さ。それらの条件が揃うのが、この九州南西岸の出水という町だ。

 出水市はラムサール条約湿地自治体認証制度による国内初の認証を受け、鶴の越冬地として日本一の規模を誇っている。彼らが過ごすに好ましい環境を維持するため、地元の人々による環境整備の成果も大きい。市民の初詣先としておなじみ箱崎八幡神社には、狛犬の如く巨大な1対の鶴像が、参道の両側で出迎える。鶴は、この町に欠かすことのできない象徴的存在なのだ。

 彼らの飛来は、私たちに1年という時の経過を知らせ、そして焼酎の熟成が更に進んだことに気づかせてくれる。甕の中で眠るほどにその味わいにカドが取れ、VINTAGEはその円熟を増す。3年熟成、4年熟成、その先にある究極の味わいを、静かに越冬をする鶴の如く待ち侘びれば、巡る四季のように美しい熟成という価値に変わる。

ITEM 商品