”米”と”芋”で造られる、焼酎の伝統。手づくり。そして秒単位の勝負。


 芋焼酎の原料は、実は芋だけではない。「米」と「芋」が必要不可欠だ。その造りは、まず「米麹」を仕込むところから始まる。「米麹」とは、蒸した米に麹菌をふり混ぜて作るもので、”麹菌”は米のデンプン質を”糖質”に変える働きをする。

さらにその糖を「酵母菌」がアルコールに変えることによってはじめて「酒」が生まれるのだ。つまりは、麹と酵母、2つ生き物の存在がなければ、焼酎も日本酒も生まれないということになる。

 さて。米に麹を振る前に、酒造りにおいて重要な工程がある。時間をかけて蒸した米を、水に浸す作業だ。これを「浸漬」と呼ぶ。この”浸漬時間”が、酒造りの行く末を決める最も重要な作業の一つと言ってよい。短距離走で言えば、スタートダッシュ。野球で言えば先発投手が1回を0点に抑える、と言ったところか。素人目には「ただ米に水を含ませるだけでのことがなぜそれほど重要なのか?」と思うところだが、これが後の酒造工程に大きく影響をする。そのため多くの酒蔵はこの浸漬時間を秒単位で計算。ストップウォッチを睨みながらおこなうのである。


 また、神酒造は、「手づくり」という呼称の本格焼酎造りが真骨頂だ。木で作られた部屋で蔵人が米に触れ、麹を混ぜる作業を酒造りの映像などでご覧になったことがある方も多いだろう。この部屋を「麹室(こうじむろ)」と呼ぶ。

 電力を使わない通気口の開閉でこの部屋の湿度温度を管理し、さらには「ふた」と呼ばれる小さな木箱一つ一つに麹米を盛って、麹を育てるクラシックな造り。この「製麹(せいぎく)」という製造工程を、機械に頼らず行うのが焼酎業界における「手づくり」の定義である。効率的でないことこの上なく、しかしながら、蔵人のきめ細かな目配りと手作業が行き届くことによって発酵を理想の形にコントロールし、理想の美酒の味わいを設計することができるのだ。

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