鹿児島出水市の朝。
この町に、遠い異国から訪れたものが、2つ。
9トンものタロイモを乗せた大きなトラックが、高い煙突の聳える街道沿いの蔵にたどり着く。ハワイ・カウアイ島からオアフ島・東京を経由し、はるか太平洋を越えて訪れたタロイモのカートンが、この日次々と運びこまれました。ハワイの取材メディアや、神官”カフー”の来日に先駆けて”来日”した神聖なタロイモ。カウアイの気温とまるで違う芋焼酎の聖地・真冬の鹿児島で仕込みの日を待ちます。
折りしもこの時期、遠くシベリアから3000kmとも4000kmとも言われる飛行距離を飛び、空を覆うほど無数の鶴たちが、越冬のため出水の町に飛来しています。カウアイ島から出水市までの距離はお7000kmだから、彼らがこの冬に往復する距離は、タロイモが運ばれてきた総距離とおおよそ同じ。
春を待ち、醸されるもの。春の訪れに、この地を離れるもの。
遠い異国から訪れた2つの来訪者が、春の気配が訪れるまで、この町に共存する刹那の時。







